審 査 請 求 書
平成19年11月12日
熊本市開発審査会 御中
審査請求人
住所 熊本市秋津町秋田3442-40
氏名 佐 藤 上 印 (年齢)60歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
行政不服審査法第5条(処分についての審査請求)及び
都市計画法第50条(不服申立て)
の規定により、審査請求を申立てる。
1. 審査請求に係る処分の表示
平成18年5月頃、熊本市開発景観課が、熊本市秋津町秋田****-**に新築
工事を計画された建築物(*************)の熊本市建築指導課による
建築確認申請事前調査に対して、「当該『飲食店』については、都市計画法第42条第
1項に規定する用途の変更には該当せず、同条に基づく許可は必要ない」と判断した、
行政の公権力の行使たる事実行為。
【添付1…平成19年9月7日付、公文書開景発000531号】
2. 審査請求に係る処分があったことを知った日
平成19年9月14日
【添付2…平成19年9月13日付、熊本市建築審査会裁決(審査会意見)】
3. 審査請求の趣旨
1.に表示の処分について「処分を取り消す。」との裁決を求める。
(審査請求の根拠について)
行政不服審査法第2条は、「処分」について「公権力の行使に当たる事実上の行為で、
人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有するもの(以下『事実行為』と
いう)が含まれるものとする。」と規定している。本審査請求に係る事実行為は、都市
計画法に定められた原則禁止条項中の例外であるただし書きの許可手続きを必要とし
ない、と行政が決定したものであり、同法による不服申立ての対象となる「処分」に
あたる。
また、同法第14条は、審査請求は(第1項)「処分があったことを知った日の翌日
から起算して60日以内」、また(第3項)「処分があつた日の翌日から起算して1年
を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限
りでない。」と規定している。平成18年5月当時、本審査請求に係る処分の存在は公
表されておらず、審査請求人がその事実を知り得たのは、平成19年9月14日に送
達された建築審査会の裁決書によるものであったのであるから、正当な理由と根拠が
あるので本審査請求に及ぶものである。
4. 審査請求の理由
本審査請求に係る処分(以下、当該処分という)により事実上の行政の「許可」を
得て、熊本市秋津町秋田****-**の飲食店用途の建築物「*********
****」(以下、当該建築物という)が建築されることとなったが、当該処分は、次
のとおり都市計画法第42条の解釈と運用を誤った違法、不当なものである。当該処
分により、審査請求人らは一方的不利益を受けており、もとより当該建築物は、秋津
レークタウン建築協定に違反していることから、審査請求人ら建築協定締結者の提訴
により、熊本地方裁判所において民事係争中である。
1)当該建築物は、都市計画法第34条10号イの規定により、熊本県知事の許可を
得て開発された、市街化調整区域である秋津レークタウン内に建築計画されたもの
である。特定行政庁は、建築基準法第6条第4項に基づく建築確認申請の事前調査
にあたって、都市計画法第42条(開発許可を受けた土地における建築等の制限)
への適合性を、当該土地の属性、環境等の重大性に鑑み十分の注意をもって慎重に
調査、行政処理すべきであった。
熊本市建築審査会の裁決中や新聞報道で、熊本市は「庁内合議により係る許可を
得る必要がないと判断した」かのように主張するが、実際には都市計画法第42条
の規定の適格性の判断のための庁内合議は行っておらず、何時、どのような手続き
をもって当該処分をなしたのか、判断の根拠を証する一切の書面も存しない。【添付
3】また、審査請求人の調査【添付4】によっても、次の2)に示すように、開発
許可を所管する熊本市開発景観課において十分な検討はなされておらず、ただ担当
者が「居酒屋くらいあってもいいと思って即刻判断した」のでは、恣意的に行政行
為をなしたと言わざるを得ない。
行政手続法では、行政庁は審査基準や処分基準を具体的に定め、かつ、これを公
にしておくよう努めること、が義務づけられている。この点では、当該処分での明
確な基準は存しなかったのであるから、行政手続法にも違反している。
【添付3…審査請求人からの「許可の必要なし」と判断したことを証する書面
の開示請求に対する、該当文書の「不存在」を示す文書等開示請求拒否決定
通知書】(詳細は次のとおり。付番は便宜上、開示請求時の順序を示す)
3 「飲食店」に「焼鳥屋」が含まれることとした根拠を示す文書
4 都市計画法第42条第1項ただし書き許可の申請書
5 当該許可申請が熊本市開発審査会に付議された際の付議、答申
6 都市計画法第42条第1項ただし書き許可書
7 都市計画法第42条第1項ただし書き許可が必要でないとした判断に
係る担当課における決裁文書
8 7と同じく、関係各課部局の合意議事録、起案、決裁の一切の文書
(以上、一切が「不存在」なのである)
【添付4…開発景観課と再審査請求人らの話合いの要旨】
2)開発景観課は、審査請求人らとの話合い【添付4】の中で、「建築指導課からの当
該建築物の事前の照会に際し、都市計画法第42条第1項の当該開発許可に係る予
定建築物の用途の変更に該当しないから、即刻、ただし書き許可を要しないと判断
した」としている。その判断根拠を列挙すると、
ア)昭和63年9月、熊本県知事が開発行為に関する工事の検査済証交付を交付
した際に付した書面に「店舗」の用途との条件があり、飲食店は店舗である。
イ)都市計画法第34条1号の規定(当該開発区域の周辺の地域において居住し
ている者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗)
に該当していると考え、「秋津レークタウンの中に飲食店、焼鳥屋、居酒屋くら
いはあってもいいだろう。あまり大規模な営業は駄目だが今頃は家族団らんで
焼鳥屋に行くから、遊興飲食店でも問題ないだろう」と担当者が判断した。
ウ)他の市街化調整区域で飲食店を許可した前例がある。
エ)熊本市都市整備局発行の「開発許可申請の手引き」【添付5】(以下、手引き
という)は一般的な手続きが規定されているだけで、個々のケースには手引き
によらずに個別に判断している。
しかし、これでは正当、公正な根拠基準とは成り得ず、担当する職員の嗜好とか
恣意によって重要な行政決定がなされてしまう危険性が高い。全国的にも都市計画
法第34条1号で遊興飲食店を適用している例はない。熊本市での前例として挙げ
ているのは、同法第43条第1項の開発許可を受けている区域以外の区域での兼用
住宅、という別次元の例であり、しかもこれでさえも建築主に申請させ、許可証を
交付している。当該建築物の許可申請を不要とするいささかの参考事例、判断根拠
になるものではない。
また、当該建築物は都市計画法の第42条第1項の予定建築物等以外の建築物の
(熊本市景観課の言う既設建築物の用途の変更ではなく)新築であり、したがって
手引きによる市街化調整区域における建築許可の手続きフロー【添付5】で示され
ているように、建築主は予定建築物以外の建築の許可手続き(同法第42条第1項
ただし書き許可の申請を開発景観課に提出し、許可申請審査を受け、熊本市開発審
査会に付議され、答申を受けた後に建築許可証の交付を受ける)を行わなければな
らない。これを経ずに決定した当該処分そのものが違法である。なお、この許可を
得ず建築した者には同法第92条4号で50万円以下の罰金が科されることと規定
されている。
【添付5…開発許可申請の手引き=第一章-14】
3)そもそも、市街化調整区域における当該建築物の計画された土地の用途について
は、昭和60年11月、熊本県指令建第438号の県知事の開発行為の許可に際し
て付された条件【添付7】に「建築協定を速やかに締結すること」があり、この建
築協定【添付8】には「スーパーマーケット専用」と、明確な用途の規定がある。
一方、昭和63年9月の建第開第14号の開発完了検査済証に付された文書【添
付9】に「建築協定が廃止となった場合においても…」との条件の記述があるが、
これは、「建築協定を締結して、規定された用途制限等を尊重、厳守すること」であ
り、しかし、「建築協定は住民の合意により廃止される可能性があり、この土地は市
街化調整区域で用途地域の定めがないから、万一協定が廃止となった場合でも、無
秩序にならぬよう以下の条件を遵守すること」と、定めているのである。
ところが特定行政庁は、この部分の「建築協定が廃止となった場合においても…」
という、いわば仮定の文章を優先適用し、ここで「店舗」との建物の用途条件を付
してあり、店舗が認められているのだから飲食店についても問題ない、と即断した
のである。つまり、先の条件の「建築協定」【添付7】はあくまでも私人間の契約で
あり、後の工事完了時の条件【添付9】を「建築協定の有無に関係なく、これが最
低基準」であると解釈し、これにより店舗は都市計画法第42条の開発行為に係る
予定建築物に該当する、と判断したもののようである。
建築行政にあたって、一般的に建築協定が建築基準法第6条第4項の建築基準関
係規定の適合性確認の際の対象法令でない、ということを意識するあまりに、建築
協定という書面に規定された重要な建築物の用途制限を軽視して、県知事の付加し
た開発許可の条件を曲解し、スーパーマーケット用地に本来建築が許されない飲食
店の建築を許すこととなった。これは適用すべき基準の誤謬である。
【添付6…開発登録簿調書】
【添付7…昭和60年熊本県指令建第438号「開発行為の許可」】
【添付8…秋津レークタウン建築協定(抄)】
【添付9…昭和63年建第14号「開発行為に関する工事の検査済証」】
4)秋津レークタウンは、市街化調整区域を住居専用区域として開発されたものであ
るが、開発の初期から著名な学識経験者が加わったプロジェクトチームによって、
住民が終のすみかとして安心して暮らせるよう住環境の構想が練られてできあがっ
たものである。この地域の住民が毎日利用するスーパーマーケットの駐車場をさら
に敷地分割して、開発目的に合致しない遊興飲食店(住居地区の客よりも、むしろ
他の市街化区域の客に飲酒させることを目的にしたもの)を開発区域内に建築する
ことは法的に抑制されている。また、開発許可に付加されたどの条件によっても、
この建物は床面積1,500平米以下と定められており、この趣旨を曲げて、単に
投資目的による利潤追求のために細切れに敷地分割して店舗を新設し、テナントに
利用していくということはこの開発許可条件に違反し、つまり都市計画法及び建築
基準法に違反していると同時に不当である。
住宅専用地域の公益施設であるスーパーマーケットの駐車場スペースが狭くなれ
ば利便性が損なわれ、客足が遠のき、ついには営業が成り立たなくなり、唯一のス
ーパーマーケットが撤退するおそれがある。本年11月30日から改正都市計画法
が施行されるが、本事案のような都市計画法第34条10号イによる大規模開発は
特別の規定がなくなり、市街化調整区域での予定建築物以外の建築物の建築はより
厳しく運用されるべきが改正の趣旨である。これらの観点からも、行政のなした処
分の違法性はもとより、行政不服審査法に認められた不当性(たとえ合法であって
も、なした処分の結果が市民に著しい住環境の悪化をもたらし、またはこのままで
は今後も改善される方策が見込めない)についても、市民の住環境を守る立場から
厳正な審査を願いたい。
5. 処分庁の教示の有無及びその内容
なし
(審査請求人の付言)
審査請求人は、当該建築物の中にさらにテナントとして建築中であった中華料理
店への建築主事のなした建築確認について、これを違法、不当として、熊本市建築
審査会に審査請求した。この裁決の中で建築審査会は「飲食店として当初確認処分
された建築物のテナント決定に伴う平面計画の変更について行ったものであり、当
初確認処分との用途の変更はない。したがって、本件処分では、建築物の用途の適
法性等については処分庁(建築主事)の審査の範囲外であり、当建築審査会の判断
の対象外である。」としている。
では、そもそもの、もとよりの当該建築物の用途の適法性等について、これを所
管する熊本市開発景観課に「適法と判断した根拠と経緯」について説明を求めたと
ころ、以上のような事実を初めて知ることとなったので、行政不服審査法に基づき、
都市計画法に定められた開発審査会での審査を請求することとした次第である。
以上
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