反 論 書
平成19年8月31日
熊本市建築審査会 御中
審査請求人 住所 熊本市秋津町秋田3442-40
氏名 佐 藤 上 印
(年齢) 60歳
住所 *************
氏名 * * * * 印
(年齢) **歳
平成19年8月13日付受理された審査請求人申立ての審査請求に
つき、8月24日付処分庁建築主事より弁明書が、同じく特定行政庁
熊本市長より釈明書が、8月27日に審査庁から回付されたので、審
査請求人より下記のとおり反論する。なお、本反論は審査請求書に特
記した審査請求の理由の追記、及び添付書類、写真等の追加でもある
ので、よろしく取りはからい願いたい。
記
1. 処分庁建築主事への反論(審査請求の理由 9)~12))
9)審査請求人は、平成19年8月13日付審査請求書に記したとおり、1.審査請
求の理由、において、1)から8)までの理由を挙げた上で、これらの理由により、
建築主事がなした行政処分を放置し看過すれば著しく社会正義に反することになり、
社会通念上許し難いとの不当がまかり通ることになるから、本建築審査会において
当該行政処分の取消しの裁決をすべきである、と主張しているのである。
10)建築主事は、当該建築物の確認審査について、「当初計画の工事未了部分に対する
審査(面積の増加等が特に発生しない建物内部規定等の審査)であって」と弁明す
るが、仮にそうであれば通例確認申請を要しない筈であり、事実は国土交通省令で
定める軽微な変更にはあたらないと判断したからこそ、改めて確認申請を出すよう
建築主に行政指導をしたのである。しかして、子どもや歩行者等に対する安全配慮
の必要なスーパーマーケット駐車場出入口に近接した場所での庇の増設を見逃して、
当該行政処分をなしている。(添付12…中華料理店出入口庇部分の写真)
11)さらに当該行政処分について、「既確認済建築物の継続的な処分として位置付ける
計画変更手続きであり、よって、本件確認処分は当初確認処分した建築物に帰属す
る処分であり、その取消しは意味が無い」と弁明するが、(これは新聞報道での市の
言い分「昨年建築確認をした建物の計画変更であり、申請があった建築確認をしな
いわけにはいかなかった」と軌を同じくする)これでは、自らのなした当該行政処
分自体にも元々意味がない、との告白と等価で当該行政処分は存在根拠を失う。正
に建築基準法第6条第一項は、本事案のような、当該確認を受けた建築物の計画の
変更の場合も、同様である、と規定している。建築主事の弁明は、法令を逸脱して
省略した手続きにて処分をなしたことの合理的、法的根拠の明示がない強弁である。
審査請求人が新規建築と計画変更の場合の手続きの違いについて根拠を求めて文書
開示請求をしたが、「不存在」で拒否された。(添付13…建築確認申請から完了ま
での流れ)(添付14…文書等開示請求拒否決定通知書、建指発第229-1号)
12)そもそも、秋津レークタウンは都市計画区域の市街化調整区域にあり、都市計画
法第7条第三項は、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域、と規定している。
昭和60年6月熊本勤労者住宅生活協同組合より同法第29条第一項に基づき、開
発行為の申請がなされ、県知事にて同年11月開発許可、及び昭和63年9月開発
行為に関する工事の検査済証交付にあたっても、厳しい土地の用途制限等の開発許
可条件が付されている。このようにして開発された住居専用地域付属のスーパーマ
ーケットの客用駐車場を単に技巧的に敷地分割して、焼鳥屋とか中華料理店に転用
可能と判断することについては、審査請求人らには強い疑義がある。実際、当該建
築物には今回の中華料理店、近日中に釜飯屋が入る予定と噂されており、このまま
ではさらに駐車場を敷地分割して、ついにはスーパーマーケットを潰して店舗と名
が付けば何を建ててもよいとばかりの歯止めのない状態になる。住居専用の町づく
りを進める目的で市街化調整区域を開発した土地の利用においてこのようなことが
認められよう筈がない。開発許可条件に反した土地利用をなす建築物は都市計画か
ら逸脱し、都市計画法、及び建築基準法に違反しているから、当該行政処分は違法、
不法であり、取り消されなければならない。(添付15…開発行為の許可書及び付属
書類)(添付16…開発行為に関する工事の検査済証及び付属書類)(添付17…敷
地図面ほか設計図面)(添付18…行政担当者と審査請求人の電話の内容)
2. 特定行政庁熊本市長への反論(審査請求の理由 13)~16))
13)審査請求人が挙げている行政担当者は建築指導課の職員であり、「自己の偏見、自
己の予断に基づく恣意的な確認処分は出来ない立場にある」との市長の釈明がある
が、審査請求人が敢えて「行政担当者」と指しているように、秋津レークタウン住
民に行政窓口として対応したのは、市長が任命権者である建築指導課長補佐一人そ
の人である。この行政担当者が市民と接し、行った重要な発言は枚挙にいとまがな
い。「みなさんのご要望は既に建築確認を下ろしているので中止できないが、建物を
1~2メートルほど北に動かすのは軽微な変更なのでできます。私が業者に話をす
るので待ってください」「レークタウンの土地の開発許可条件に、県が建築協定を締
結すること、としているのは、協定の存在だけを問うているのであって、協定が守
られているかが条件ではない。この地域は店舗が認められており飲食店も建てられ
る、と隣の課(都市計画課)との統一見解だ」「レークタウンの件は特殊で、普通は
建築協定の市の行政指導には業者は素直に従ってくれるのだが、聞いてくれず強引
に進められるとどうしようもなく、もう私らが法律的に正しいかという一点で仕事
をするしかない(つまり申請受理後21日以内に建築確認をなさざるを得ない)で
すよ。でもこれで私らが仕事をしていないと思われるのは困る」「行政ミスだとの裁
判を起こされたら粛々と受けて立つ」と。…実務のベテランの発言である。すべて
この行政担当者が懸命に熊本市建築行政を一身に背負って職務を執行していること
を率直に示しており、行政担当者は正に市長の代弁者として行動している。
14)当該行政処分に係る実際の行政実務にあたっては、9)で建築主事に反論したよ
うに市長職下の建築指導課、建築審査室、建築主事がそれぞれ分掌の職務を執行し
つつ、有機的に連携し合って実務をなしている。つまり、建築主事の職務のみなら
ず、当該行政処分をなすに至ったこれらすべての要素を考慮して当該行政処分の是
非について評価を加えるべきである。特に、行政が建築協定の違反を誘発するよう
な、「負の指導的役割」を果たした点は、(自治会長の同意があれば、本来協定者四
百余名一人も欠けることなく全員の同意を要するために極めて実現困難な「建築協
定の変更」と同様のことが可能であると思いこみ、本末転倒の行政指導をなしたの
であるから)は、何故そのようなことが起きたのかも究明されるべきである。
15)平成19年6月1日(審査請求書に記した6月4日は誤記)に始まった違法建築
工事は最悪の場合、建築主、建築士及び工事施工者に重い罰則が適用される。最近
の姉歯元一級建築士、木村建設社長の建築基準法、建設業法違反事案では詐欺罪ま
で適用されての厳しい処断をみても、行政罰事案には特定行政庁はより厳しい姿勢
で臨まなければ、市民の安全が守られないことへの社会的要請、行政への注意喚起
と期待がある。市長の釈明では、「施工者が仮使用についての解釈を誤り着手したが、
行政庁の指導に従い速やかに着手前の状態に戻したため、口頭による注意処分とし
た」としているが、事実経過は別表のとおり市長が捉えているより深刻であった。
建築協定を守るようにとの市の指導に従わずに承知で協定違反し、ために裁判提訴
により(何の瑕疵もない善良な住民がしかたなく)係争中の、当事者の一方の建築
主に対してあまりに甘くはないか。市長は中華料理店について、本審査請求の裁決
あるまで工事を中止するよう建築主に要請したが断られ、審査請求人への公文書に
よる報告の中で、「工事停止命令は、建築基準法第9条第一項に該当する事由があり
ませんので命令することができません」としているが、では、十分に該当事由があ
ったこの違法事案では何故、同法による命令をしないのか。何時どのような場合に
是正措置を発するのか発しないのか、その基準、根拠を明確に示すべきである。口
頭注意に留め、直後に同じ口で改めて建築確認申請の提出を教示し、急ぎ建築確認
をなしてやったというのでは、これは公正を欠いた公務員の行政行為であり、異様
な便宜供与と見られるのもやむを得まい。なお、審査請求人はこの一連の経過につ
いての複数文書の開示請求をしたが、「不存在」で拒否された。違法行為に対する行
政指導の一切の記録を保存しないのは、不適切、あるいは規則違反の行政処理であ
る。(添付19…違法建築工事の一連の現場写真)(添付20…横浜市で公開された
違反是正措置の例)(添付21…文書等開示請求拒否決定通知書、建指発第231号、
同第233号)(添付22…建築確認申請関係文書コピー)
(違法建築工事の経過)いずれも平成19年
│ 5月31日│ 違法工事のための材料、工具搬入 │
│ 6月 1日│ 違法工事開始(建築確認済証なし=建築物、建築主ほか一切不明)│
│ 6月 2日│ 協定運営委員長代理人弁護士より中華料理店主に警告書を送付 │
│ 6月 5日│ 金属パイプ足場組立て、違法工事続行
│ 6月14日│ 市民が市役所に出向き、違法工事を通報 │
│ 違法工事続行 │
│ 7月 6日│ 違法工事の中止、金属パイプ足場撤去 │
│ 建築士、工事施工監理者変更(**建築設計事務所→**建築設計室)│
│ 7月 7日│ 建築確認申請書提出 │
│ 7月12日│ 同 受付(受理) │
│ 7月20日│ 建築確認済証交付(異例の早さ) │
│ 7月23日│ 工事開始 │
│ 8月29日│ テナントと判明、「中国料理 **」の看板設置 │
16)行政における建築協定の扱いについて、建築関係許認可に係る窓口業務を司る行
政の担当部署にあっては、市民の生活環境に直接関わる建築物の建築計画をいち早
く知る立場にあることに鑑み、私法上の契約とはいえ建築協定に違反する建築物は
絶対に建築できない、との基本的姿勢をしっかり行政として備えておくべきである。
建築協定運営委員会が実働していない場合に、未だに協定上、民法上権利能力のな
い地区の自治会長に相談するように指導を続ける、との釈明では同じ問題がまた発
生することを危惧する。(添付23…建築協定認可件数の推移(横浜市との比較))
審査請求人からの付言(建築審査会委員の方々へ)
たとえば、せっかく熊本市には「町づくりコンサルタント」制度もあるのですし、
上述の協定運営委員会が実働していなければ、「出前塾」で市民を指導する横浜市等の
とりくみを参考に、政令指定都市を目指す熊本のあるべき行政の姿の研究を自ら早急
に進める必要性があると考えます。他市では既に「市民参加」型から「市民主体」型
の町づくりを実践しています。そこで行政の役割は極めて大きいのですから、建築審
査会において「熊本市建築行政の改革」の提言を建議される等、本不服審査が行政の
自浄、自己統制の絶好の転換点となるような観点でご賢察いただければ幸甚です。
以 上
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