再 反 論 書
平成19年12月18日
熊本市開発審査会 御中
審査請求人
住所 熊本市秋津町秋田3442-40
氏名 佐 藤 上 印 (年齢)60歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 ** ** 印 (年齢)**歳
平成19年12月10日付け、処分庁の再弁明に下記のとおり反論する。
記
「2 行政処分の不存在の部分に対して」の弁明について
処分庁のこの弁明は難解な文章であるが、要するに熊本市長は、行政による「処
分」は、なしていない、との主張のようである。しかし実際市長は、秋津レークタ
ウンという開発許可を受けた開発区域内の市街化調整区域に、建築物の建築を計画
した者の申請に対し、都市計画法(以下、法という。)第42条第1項ただし書き「許
可は不要」との判断をし、行政不服審査法第2条第1項に定義された「事実行為」
を行ったのであり、つまり、「処分」をなしたのにほかならない。
建築主事のなした建築確認の行政処分については、過日の建築審査会で一応の裁
決が出されており、これに対して審査請求人は、国土交通大臣に対して再審査請求
を行っているところであり、本開発審査会への審査請求では触れなかった。しかし、
処分庁は、建築主事の権限範囲についても主張しているので、敢えてこれを含めて
次のとおり反論する。
なお、処分庁の弁明には難解な点が多々あり、審査の公正と迅速化に協力する観
点から、口頭審理の機会に処分庁に質したい点を、本反論書の最後に付す。
(審査請求人の具体的な反論)
① 法第29条第1項は、都道府県知事(熊本市にあっては市長。以下、市長という。)
を開発行為の許可権者と定めており、法第42条第1項ただし書きによる建築物の
建築行為の許可権者も市長と定めている。
② 建築基準法第6条第1項は、建築主は、建築物を建築しようとする場合には、事
前にその建築計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、建築主
事の確認を受けなければならない、と定め、同法施行令第9条は、上記①で挙げた
法第42条が、この建築基準関係規定に含まれるもの、と定めている。
③ 都市計画法による開発許可の制度は、都市周辺部の無秩序な市街化を抑制する等、
良好な市街地の整備、保全を図るという都市計画的な観点から定められている。一
方、建築基準法は、国民の生命、健康、財産の保護の観点から建築物の技術的最低
基準が定められているもので、それぞれの法制度の趣旨が異なるものであり、かつ、
特定行政庁である市長と建築主事とは、その権限が明確に分離されている。
④ したがって、独任、独人性を持つ、いかに技術的知識に長けた建築主事であって
も、上記②で挙げた法第42条についての建築確認の審査権限は、「市長が同条第1
項ただし書きの許可をしたか、あるいは『許可は不要』と判断したかを、(申請者か
ら添付提出された、それを証する書面により)審査する。」という形式的、外形的な
ものにとどまり、建築主事が自ら許可の要否についての実質的な審査をすることは、
むしろ許されない。
⑤ これは、仮に、処分庁が主張するように、建築主事が許可の要否を市長の判断に
拘束されることなく独自に判断できるとすれば、市長が「許可は不要」と判断して
いる建築計画について、建築主事が「許可は必要」と独自に判断できること(また
はその逆の場合もある。)になり、建築主としては、市長が不要だという許可を市長
から得なければ建築物を建築できない、という、まことに困惑、不合理な結果をも
たらすこととなる。このことからも、審査請求人が言うまでもなく、建築計画が法
第42条第1項ただし書き許可を必要とするかどうかについての判断権限は、専ら
市長に属するものであると解すしかない。これらの熊本市での行政の運用の実態は、
正に、従前より特定行政庁や建築主事等、市側が市民である審査請求人に説明をし
てきているとおりであり、次に示す建築審査会の裁決でも明らかである。
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(平成19年9月13日付、建築審査会裁決書… 処分庁建築主事の弁明)
(3)建築主事が確認処分を行うにあたって、都市計画法上の課題が存在した場
合には許可証の添付若しくは、所管の判断がなされているかどうかを確認する
に足りる。都市計画法の合議のもと、それが適法・不適法については建築主事
が審査すべき要件ではない。(略)
(同… 審査庁裁決文)
(1)本件処分の基礎をなす建築確認は、法第6条第1項に基づいて、処分庁が
当該建築物について建築基準関係規定に適合するか否かを審査し確認する行政
処分であり、行政庁の羈束行為である。(略)
したがって、本件処分では、建築物の用途の適法性等については処分庁の審
査の範囲外であり、当建築審査会の判断の対象外である。
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⑥ 平成19年11月19日付、弁明書で、処分庁自らが明かしているように、平成
18年5月11日に、当該建築物の建築を計画する者が市長に対して、法第42条
第1項ただし書き許可(あるいは、この許可が必要ないと市長が判断するのであれ
ば、建築主事への建築確認申請のために、それを証明する文書の交付)の申請(報
告書への記載)をしたのである。その上で、「本件行為は、60条証明書に準じた手
続である」と言うのであるから、すなわち、申請に応えて処分をなしたということ
である。次に熊本市行政手続条例の「処分」「申請」の定義を示すが、行政手続きに
おいて、行政庁に国民からある申請が出されれば、それに対して何らかの処分がな
されるのは必然である。もし何もしなければ、行政の不作為が問われる。
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(熊本市行政手続条例第2条(定義))
(3) 処分条例等に基づく行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為を
いう。
(4) 申請条例等に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し
何らかの利益を付与する処分を求める行為であって、当該行為に対して行政庁
が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
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⑦ 処分庁は、許可が必要でないことの根拠として、全く条件の異なる別の許可事案
を前例として挙げているが、これは「許可に値するから、許可手続きは不要」とい
う前例主義による、役所仕事の悪弊である。少なくとも、「前に許可したから今度も
許可する」と、同じ処分をするのでなければ前例主義の理屈にさえ合わない。あま
つさえ、自身の身勝手なこの主張にのみ依拠し、「許可、不許可の処分がある場合は
処分性があるが、許可、不許可の処分をしていないのだから処分ではない」との主
張は、言辞を労するだけのあまりの詭弁である。当該処分に係る行政処理にあたっ
ては、開発審査会に付議するかどうかを、「審査会付議(提案)基準」のような既定
の規程類に基づき判断すべきであった。
⑧ 以上のように、結局、処分庁はこの申請に対して、即刻、「許可は不要」との判断
をし、建築確認審査事前調査報告書にその旨を記し、建築主事はこれにより、法第
42条の適合を確認したのであるから、処分庁のなした判断は行政行為そのもので
あり、行政不服審査法第2条第1項に定義される、行政のなした「処分」である。
もし本来、許可を要するものに対して「許可は不要」との判断をしたのであれば、
それは行政の瑕疵である。このような疑義が生じる余地があれば、それは行政不服
審査の対象となることは言うまでもない。念のため繰り返し添えるが、審査請求人
は、建築主事のなした当該建築物に係る確認審査に対しては、本審査請求では違法
性を指摘していない。
「3 法第34条の1号店舗の部分に対して」の弁明について
遺憾ながら、審査請求人の誤引用であり、当該部分は次のように訂正する。
… また、国土交通省の現職担当職員等で構成される開発許可制度研究会の編著に
… 他行政庁では、たとえば、兵庫県加古川市の「開発許可の手引き」では、1号
店舗について、「飲食店の場合、日本標準産業分類中分類70(一般飲食店)に掲げ
るもののうち、日常生活のために必要でない料理店等は本号には該当しない。」と明
文化している。また、群馬県及び同県内各市で共通に適用されている「開発許可質
疑応答集」の中でも次のように遊興飲食店は許可「不可」とされている。
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(開発許可質疑応答集(他行政庁:群馬県、同県各市における例))
『問』 以下の店舗等をつくるときは1号で許可可能か
⑦ 大衆酒場、焼鳥屋、おでん屋
『答』 ⑦ 不可。
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(審査請求人からの質疑事項)
処分庁の弁明、再弁明は、審査請求人ら一般市民にはあまりに難解で、主張の多
くは誰もが初めて聞くものであり、これを検討し、十分反論するには時間が不足し
た。ついては、予定されている口頭審理の機会に、次に示す各項目について処分庁
に質したいので、審査庁においてよろしく取りはからい願いたい。
1.市長は、審査請求人が請求理由に挙げた「県知事の『開発許可の条件』は、第一
義的に遵守されるべきであり、これにより建築協定中の建築制限が当該土地に適用
される。」との主張に、意図的かどうか全く応えていない。審査請求人は、建築審査
会の裁決【添付2】にもあるように、熊本市は建築協定への理解があまりに不十分
でないか、と感じている。国土交通省の運用指針でも、建築協定が結ばれた開発区
域には(開発完了後も)特段の配慮を行うべく示している。他行政庁では手引きに、
法第42条第1項ただし書き許可の建築物の条件として、「建築協定に適合すること」
と明示しているものもある。これらの審査請求人の主張への弁明はないのか。ない
のであれば審査請求人の主張を「諾」とすると理解してよいか。
2.市長は、弁明において、「市街化区域の用途地域を指定するのが一般的であり、許
可権者が熊本県知事から熊本市長に移ってからの大規模開発行為に対する許可に際
しては、全て開発許可の条件として用途地域を指定している」としているが、法第
13条第7項では「市街化調整区域においては原則として用途地域を定めない」と
の規定があり、秋津レークタウンにおいては、開発登録原簿等にそのような記載は
ない。全国的、一般的にも市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域、との位置づ
けから、用途地域を指定する例は見受けられない。市長が、最近の大規模開発行為
において、「一般的である」と主張する、行政区内の具体的な用途地域指定の複数の
実例を、それを証する文書等により提示いただきたい。
3.上記2.に関して市長は、秋津レークタウン当該商業地区(A地区)を当時の「第
二種住居専用地域(現在の第二種中高層住宅専用地域)」が該当していると考えられ
る」として、開発許可条件である建築協定の建築制限を無視するばかりか、既に用
途地域が指定されているかのような主張をしている。住居、宅地の量より質が求め
られる社会変化に伴い、まちづくり3法が改正整備され、熊本市が政令指定都市を
目指している現在、このような行政姿勢で臨むのであれば、熊本市の開発、建築関
係法体系全体が崩れ去る危険性がある。なによりも、担当職員の腹一つで何でも建
築可能、となるのは、住民として不安でならない。もし、真に用途地域が指定され
ているのであれば、用途の制限は建築基準法等に定められており、議論の意味はな
くなる。そこで、秋津レークタウンには、用途地域が定められていないことにつき、
また、秋津レークタウンは市街化調整区域で、これは、法第7条第3項(定義)に
より、「市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。」ことにつき、確認を
いただきたい。
4.法第42条では、開発区域に開発許可時の予定建築物以外の建築物が無制限に建
築されることになれば、開発許可制度による規制の効果が失われることになるので、
これを認めていない。また、市街化調整区域における土地利用は、市街化を促進し
ないものに限定するなど制限を強めることによって、線引き制度とあいまって無秩
序な市街化が防止されている、と審査請求人は理解している。ところが、開発景観
課との話合い【添付4】、また市長の弁明によれば、一旦開発行為の工事が完了し、
法第36条により検査済証が交付され、公告された地域は、このような法第42条
や市街化調整区域の制限規定が消滅し、市長の裁量で他の一般市街化区域と同様な
扱いで、建築物が建築可能になる、との主張と解されるが、これは如何か。
5.市長は、弁明で、「60条証明書は、建築基準法施行規則第1条の3第11項第3
号に基づき特定行政庁が規則により添付の必要なしと定めた場合は、申請書に60
条証明書の添付は必要なくなる」と、主張している。なるほど、そのような規則が
定められているのであれば、熊本市都市計画法施行細則第22条、及びこれに基づ
く様式第22号【添付10】はもとより、法施行規則第60条さえも全く無意味と
なり、矛盾することとなる。この「特定行政庁が定めた規則」を提示いただきたい。
6.市長は、自治会長の「承認証」(「確認書」と思われる。【添付13】)が添付され
ていることをもって地元住民の意思と受け取り、法第42条第1項ただし書き許可
を必要としないことの理由の一つとしているが、その法的根拠は如何か。当該確認
書は本人から「錯誤に基づいたもの」として撤回されてもおり、住民が締結してい
る建築協定に違反する建築物の建築に手を貸す材料に利用され、一方でさらに、法
律上の行政判断にも利用されている。審査請求人や自治会長本人からみると、これ
だけ悪用しておきながら、当該処分に係る用途制限の解釈では建築協定を無視して
いる。と、これでは、あまりに市民の立場に立つべき行政として、悪辣ではないか
と考えるが、如何か。
(口頭審理における参考資料)
【添付13】秋津レークタウン自治会長の「確認書」
【添付14】建築協定、地区協定の許可件数の推移(横浜市との比較) |
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