1回目の手紙 (平成18年7月24日)
拝啓 熊本市長 幸山政史 様
長い梅雨のさなか、大雨の災害が発生するなどで公務ご多忙中のところ、手紙を記さ
せていただきますことをお許しください。市長には、日頃より多方面にわたってたいへ
んお世話になり、市民の一人として深く感謝申し上げる次第です。
私は、熊本市秋津町秋田3442-40に居住します59歳、団体職員の佐藤上(さ
とうのぼる)と申します。市のホームページなどに載っています市民との直接対話「ま
ちづくりトーク」の懇談内容を毎回拝見していますが、「まちづくり」には特にご配慮
いただいている幸山市長の姿勢をたいへん頼もしく感じています。そこで、今、わが町
秋津レークタウンに起きていることをつぶさにお話させていただき、熊本市(建築指導
課)所管の行政について監督指導の善処を是非ともお願いしたく、一筆させていただく
次第でございます。
私は、秋津レークタウンの団地開発直後に入居しましたが、昭和63年の開発当初か
らこの地区には建築基準法に基づいて熊本市長が認可した「秋津レークタウン建築協定」
が制定されており、今までこの協定が厳格に守られてきたことから住宅地として住民市
民の住環境を高度に維持増進(協定第一条の(目的)より)ができていました。秋津レ
ークタウンは市に推し進めていただいた「緑化協定」による実効ある緑の町並みとも併
せて、すばらしい住宅環境維持のための行政モデルとして新聞記事になるなど高く評価
され、住民も誇り高く感じていたものです。
さて、現在秋津レークタウンの団地入口にございますマルミヤ(旧ニコニコドー店舗)
前の顧客用駐車場に現地権者の(株)************が新しい建物を新築工
事中でして、この竣工後は「******」という飲食店(焼鳥屋)がもうすぐ、8月
初旬に営業を始めるとの計画がございます。この飲食店は建築協定の用途制限から明ら
かに違反しているものです。A地区と呼ばれる該当(商業)地区に許容された店舗形態
には今回のような飲食店は含まれていません。
本来は、建築指導課において厳格に建築協定が守られるべく指導いただくのが本旨で
あろうと思われますが、今回のケースではこの地区には用途制限により飲食店は建築で
きないのにもかかわらず「建築協定に抵触している建物でも、町内自治会長の同意(押
印)があれば建築可能だから自治会長に相談しなさい」との指導を建築指導課が行った
ものと判明しています。これは現在市長が認可したすべての市内で協定を制定している
地区において同様の行政処理を行っているとも担当官は明言しています。しかし、町内
自治会長といえども、また誰にも建築協定に反する建築物を認める権限はありません。
協定のどこにもそのような規定条項はありません。
当然といえば当然過ぎることですが、建築協定という特定の地域、特定の住民に対し
て、建築基準法以上に制限を加える約束ごとはその性格上、その例外規定はほとんどな
く、建築できないこととなっている飲食店が自治会長がウンと言ったら建築できるよう
になる…というような曖昧なものでは断じてありません。協定締結者全員が厳格に約束
を守ることによって秩序が維持されている…これが協定というものの性格、目的そのも
のです。だからこそ、制定には行政責任者である市長の認可が必要なものなのです。
また、本来は建築確認という行政の許認可行為は、私法上の契約的性格を持つ建築協
定とは別のものとして指導すべきところ、建築指導課においては自治会長の同意(押印)
提出を建築確認の事前の必須条件としているために、業者、建築関係者の多くが「飲食
店建築の建築確認がおりたのだから建築協定もパスした」ものと錯誤し、行政機関から
建築に関するすべての免罪符を得たがごとく、建築工事を強行し営業を始めようとして
いるものです。まさに深夜早朝にも及ぶ飲酒を伴うような営業が閑静な住宅地域で認め
られてよいわけがございません。住民の誰もが信じられない思いで事態の推移を憂慮し
ている状況です。
以上のような火急の現状から、秋津レークタウン住民は、当該業者に工事の中止を求
め、法的措置をとらざるを得ない事態にもなっています。市民に降り注いでいるかかる
「災難」の状況に鑑みて、また今後の市内の別の協定地区に同様の事案が発生すること
も憂慮されますので、幸山市長から所管の部下の今後の行政の執行について是正のご指
導をよろしくお願いしたいと思います。
以上、まことにお忙しい折から駄文を連ねましたことを重ねて深くお詫び申し上げま
す。どうぞよろしくおとり計らいお願いいたします。
敬具
平成18年7月24日佐藤上
〒861-2105 熊本市秋津町秋田3442-40
電話:096-365-**** Eメール:noboru@pc-door.com
資料: 熊本市建築指導課から私に示された今回の「経過」説明文章
建築指導課としましては、建築協定に抵触する建築計画が提出された場合、協定
運営委員会の同意を基本としていますが、委員会が実働していない場合などはその
地区の自治会長に相談するよう指導を行っています。
(注)
このように建築指導課は、建築協定に抵触する建築物でも、協定運営委員会また
は町内自治会長が同意すれば建築できる…との間違った解釈をしています。建築協
定に違反する建築物は協定運営委員会にも自治会長にも、誰にもこれを同意許可で
きる権限はありませんし、協定のどこにもそのような条項はありません。「自治会
長に相談するよう指導」とのことだが、実態は業者に同意書のひな形を手渡し「自
治会長の押印を貰って来なさい」との行政指導をしていることから、早急な是正、
行政責任者による指導が必要であると考えます。
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2回目のメール (平成18年8月6日)
幸山市長。お忙しいところ恐れ入ります。初めてメールします。
先日秋津レークタウンの建築協定違反の焼鳥屋の開店の件で
お手紙させていただきました、一市民の佐藤上(さとうのぼる)
でございます。念のため、同文でFAXも送らせていただきます。
町内自治会から住民の要望をまとめて、署名として幸山市長に
お届けしましたが、いよいよ裁判所の初審尋の11日の前日
10日に焼鳥屋は開店を強行しようとしています。熊本市の
建築行政としても何も手が出せない状況に陥っているようで、
残念な限りです。
市民は徹底して「間違ったこと、悪いことは許さない」という姿勢
で、法律違反にも等しい民事裁判でたたかっていくしかない
状況です。このことは日本中の建築協定関係者が大きな関心
を持っていることが私たちを勇気づけてくれます。まさに、
これほど極端にはっきりした「建築協定違反の事例」は日本中
にそれほどなく、こんな破廉恥なことが世の中にまかりとおる
のであれば、熊本の恥とも言えるものでしょう。
未だに、建築指導課は「建築協定に違反している建物でも、
協定の例外規定によって建築できる。その根拠で建築確認を
出した」と、市民の前に何回も断言しています。本当にこの
ようなことが行われたのであれば、今回の裁判で差し止め
命令が裁判所から出されますと、建築確認という許可行為を
行った建築主事は、逆に業者から「市から(建築協定を守らず
工事をしてもよいと)錯誤させられたことによって工事を
進めたのだから損害を賠償せよ」という損害賠償請求の訴訟
を起こされる危険性が大いにあると心配しています。
ぜひ幸山市長には、たった数ページですので、再度調べて
いただきたいのですが、建築協定には協定自らがこれに違反
して用途制限を超えて(今回は飲食店を)建ててもいいという
ような、例外規定は一切ありません。市民への縦覧を経て、
市長ご自身が認可されたことによって、この協定は当時の
住民だけでなく、その後に転入されるかたも含めて世間、公に
第三者効という法律なみの効力を与えられているものです。
それだけ、熊本市が市民の住環境を守るとりくみを真剣に
行っていた証左なのですが、今回の事例は、行政自らがこの
せっかくのすばらしい姿勢を誤り、いわば悪事をはたらく
違反者側に加担する役割を果たしているとしか言いようが
ないという現象に陥っています。
おそらく、8月7日、月曜日、つまり明日には完了検査が実施
され、10日には開店を強行されるでしょう。建築指導課が
最後の最後に市民の側を向いた行政をすることができる
チャンスだと思います。この明日、月曜日の完了検査を
「少なくとも、係争中なのだから、裁判の初審尋が終わるまで
待ちなさい」という市長のご指導を切に、切にお願いする
次第です。(建築基準法上、間違った許可を出した責任は
建築主事個人に帰することになっているため、主事は引くに
引けない状況だと思います。このことも、ぜひ行政組織と
して、この担当者だけの責任にかぶせないように、お仲間
としても助けてあげて欲しいと思います)
繰り返しますが、住民の住環境を守るのが行政です。その
ための建築協定というすばらしいアプローチ(市の発行する
建築協定のしおり「都市美観=成熟都市への提案」から)
を持ちながら、きまりごとの違反者側に加担するような行政を
幸山さん、あなたの下で許してはいけません。
急ぎ、インターネットで検索しまして、発見したアドレスに
メールさせていただきました。ありがとうございます。
平成18年8月6日佐藤上
〒861-2105 熊本市秋津町秋田3442-40
電話:096-365-**** Eメール:noboru@pc-door.com
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3回目のメール (平成19年6月12日)
幸山市長。お忙しいところ恐れ入ります。
私は、市内秋津レークタウンに住んでいます佐藤上です。昨年8月初めに、幸山市
長にFAXと、同文のメールを届けさせていただきました。
わが町で起きた「建築協定違反」の焼鳥屋の開店営業を何とか市長のお力添えをい
ただいて中止させることはできないものかと一市民としてお願いをしました。水面下
でご尽力くださったことを感謝します。しかし結局、業者は市が出した「建築確認」
をタテに強引に開店してしまいました。そこで、住民は秋津レークタウン建築協定の
定めに則り、裁判所への提訴によって違反を是正させるべく、具体的には先方に当該
建物の撤去を求めて現在争っています。
実は今、係争中のこの焼鳥屋の隣にさらに中華料理店を開店するという新たな協定
違反事件が発生しつつありますことから、急ぎ失礼を承知で幸山市長に再び一筆させ
ていただくことを決意しました。
市長もご承知のとおり、建築協定は市の条例で制定された当該地域に住む市民の住
環境を守るために、建築用途等に法律の規定以上の制限を設けるもので、縦覧等を経
て市長の認可を得、最終的に公告されるという手続の上に定められた「公的」ルール
です。罰則の規定こそないものの、法律並みに厳格に守らなければならないものであ
ることは広く国民の誰にも、そして建築、不動産、宅地建物取引業等の関係者にも常
識となっています。
しかし、この裁判の中での被告当事者の主張は余りに常軌を逸したものでした。中
でも私を驚かせたのは、旧ニコニコ堂の土地売買に際して、媒介不動産業者が建築協
定の重要な内容を十分に説明していないではないか、という点です。先方の主張の要
旨は『土地建物購入時、建築協定があることは媒介不動産業者から聞いた。しかしそ
の効力は、建築確認さえ受ければよく、建築協定に基づく協議は不要だ、と媒介業者
から説明を受けた。建物がスーパーに限定されるとの説明はなく、レストランや焼鳥
屋等の飲食店も協議の必要はないと考えていた。またこの土地に住宅を建築する場合
の明確な説明は受けておらず、媒介業者から「宅地として分譲するのに何の問題もな
い」との説明を受けており、建築協定に基づく協議は不要と考えていた。媒介業者が
「最悪、宅地分譲すれば十分元がとれますよ」と言って勧めるので購入することにし
た。だから、焼鳥屋の建築は建築協定上の協議は不要と思っていたが、建築確認申請
の際、市の担当者から協議の必要性を指摘された』…というものです。
昨年、私は市長に「建築協定では、これに反する建物を認めるような権限は、町内
会長にも誰にもない」点をお話しました。この点で、昨年12月市議会での重松議員
の質問への当時の岡村建築指導課長の「自治会長の同意書があれば、地域住民の声を
代表していると判断する」という答弁は明らかに誤りです。同課長から私に「協定に、
協議によって例外的に建築できるとの規定があると思い込んでいたが、佐藤様のご指
摘どおり、例外規定はありませんでした」と公文書で訂正をいただきました。つまり、
行政の担当者が「協議すれば例外的に」とか「自治会長の同意書があれば」協定の制
限を超える建物が建築可能だと思い込み業者を行政指導したこと、そのものが間違っ
ていたのです。一般に、建築協定がいかに厳格に運用されているかの一例を上げます
と、たとえ善意で協定の制限を超える建物の建築を計画する場合でも、協定を変更す
るか廃止するかいずれかの手続をとるしかないのです。近年、福岡市で養護施設建設
のために住民の同意を得て建築協定を廃止した例がありますが、熊本では、誰からも
このような手続はとられてはいません。しかも協定の変更、廃止には、市長の認可、
公告等の協定制定時と同様の入念な法的手続が必要である、と建築基準法にも定めら
れているものです。
さて、先方の主張が真実なら、この違反事件は、単純に媒介不動産業者が買主であ
る現在の地権者に、不動産取引上の重要事項を説明していないことに起因するもので
あったことになります。これは宅地建物取引業法に違反している疑いが強いです。し
かも今回、裁判で争っている最中に、同じ違反建築物である焼鳥屋の隣の一室に、中
華料理のお店を開店すべく改装工事が6月4日より始まりました。近隣住民や市建築
指導課には何も連絡も説明もなく、無謀にも違反の上に違反を重ねようとしています。
中華料理店のご主人に事情を聞いたところ、前述の一年前の状況と全く同様、同じ媒
介不動産業者が建築協定の内容を詳しく説明せず「市の建築確認を既に取っているか
ら何も問題ない」とし、銀行の融資を得た上で現在の状況に至っているという信じら
れない事実が判明しました。あろうことか、店主ご本人は裁判で争われていることさ
え把握されていない有様です。
今まで焼鳥屋の事案での建築指導課の解釈は「建築協定は、建築主事が出す建築確
認の判定条件にはならない」つまり、建築確認申請者が協定を遵守しているかどうか
は、行政上の許認可の判断材料にはならない、との立場をとっています。が、それで
は市が率先して市民に締結を推奨している建築協定は何のためなのか、ということに
なります。真に市民の住環境を守るために、行政は自ら制定した条例や建築基準法第
4章「建築協定」の立法趣旨に則り、これに違反していれば申請者に是正させる等、
積極的に行政業務を全うすべきではないでしょうか。事実は正反対で、建築協定の解
釈の誤りに気づいた市の担当者からは、保身のためか住民側の敗訴を望む発言さえも
出る始末です。そして誤った行政判断により、違反建築物に建築確認が出され、これ
を根拠に違反者がさらに違反を重ねる…中華料理店主のような「良心的被害者」を増
やすという様相となっていますし、住民は大迷惑です。
以上、行政の軸足をひとりひとりの職員がどこに置いて仕事をするかという点で、
監督者、任命権者である市長の責任はとても重いものだと思います。また、市長自身
が今回のこの「中華料理店」と当該建物の事案に関連して、今月末ころには建物の工
事の完成検査の合否の決裁も求められることとなり、万一、これに「合格証」を与え
るとなると、以上の犯罪にも等しい事案に熊本市が最後の免罪符、事実上の営業許可
を与えることになる、と案じています。
係争中の事案であり、決して市長に争いの一方の肩を持っていただきたいとお願い
をしているのではありません。この間の関係者、すなわち地権者=焼鳥屋、媒介不動
産業者、熊本市建築指導課、市民、今回これに加えて中華料理店主…それぞれの立場
を考察してみますと、ただ一人何らの瑕疵もない、穏やかで、平和に、善良に暮らし
ているレークタウン住民のみが、行政や他の者のミス、違法行為によって大きな被害
を受け、そのために自ら裁判を起こして争わなければならない、というまるで理不尽
なことが起きていることを是非、正義派市長の幸山さまに知っていただき、どうか、
市民の住環境を守る立場に立った賢明な判断をいただくよう、よろしくご検討をお願
いする次第です。
私の思いをお読みいただき大変ありがとうございました。さらに直接事情をお聴き
いただきたく機会を与えられるなら、喜んで参上致しますので、市庁舎にお招きくだ
さることも合わせてご配慮お願いする次第です。
平成19年6月12日佐藤上
〒861-2105 熊本市秋津町秋田3442-40
電話:096-365-**** Eメール:noboru@pc-door.com
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