再 審 査 請 求 書
平成19年10月13日
国土交通大臣 冬 柴 鐵 三 殿
再審査請求人
住所 熊本市秋津町秋田3442-40
氏名 佐 藤 上 印
(年齢) 60歳
住所 熊本市秋津町秋田****-**
氏名 * * * * 印
(年齢) **歳
建築基準法第95条の規定により、再審査請求を申立てる。
1. 再審査請求に係る処分、及び裁決の表示
平成19年7月20日付、熊本市建築主事がなした建築確認の行政処分(以下、当
該行政処分という)、及び平成19年8月13日付、再審査請求人がこの処分に対し提
起し受理された審査請求(以下、原審査請求という)に係る平成19年9月13日付、
熊本市建築審査会の裁決(以下、原裁決という)
【添付1…熊本市建築審査会裁決書謄本の写し】
2. 再審査請求に係る原裁決があったことを知った日
平成19年9月14日
3. 再審査請求の趣旨
1.の当該行政処分、及び原裁決について「これを取消す。」との裁決を求める。
4. 再審査請求の理由
平成19年7月20日付第******-*号で熊本市建築主事が****に対し
てなした当該行政処分について、再審査請求人は熊本市建築審査会に取消しを求めた
ところ、これを棄却するとの原裁決があった。しかし、原裁決にあたって熊本市建築
審査会は、次に示すように判断を避け、あるいは事実の物証拠に基づかず特定行政庁
参考人の証言にのみ偏重した過誤等があり、これらは不当であるから、再審査請求人
は改めて当該行政処分及び原裁決の取消しを求めるものである。
なお、秋津レークタウンは、昭和63年9月に工事完了した市街化調整区域におけ
る大規模開発地であり、当該行政処分に係る熊本市秋津町秋田34**-**の建築
物(以下、当該建築物という)は遊興飲食店で、この地域に締結されている秋津レー
クタウン建築協定(以下、建築協定という)に違反している、との建築協定締結者の
提訴によって、熊本地方裁判所において民事係争中である。再審査請求人は原審査請
求において、「特定行政庁が自ら認可した建築協定を無視した(負の)行政指導をなし、
違反建築を事実上手助けすることになっている」ことについて指摘したが、本再審査
請求においては、以上、背景を示すにとどめる。
1)当該建築物は、都市計画法第34条10号イの規定により、熊本県知事の許可を
得て開発された、市街化調整区域である秋津レークタウン内に建築計画されたもの
である。建築主事は、建築基準法第6条第4項に基づく建築確認にあたって、都市
計画法第42条(開発許可を受けた土地における建築等の制限)への適合性を、当
該土地の属性、環境等の重大性に鑑み十分の注意をもって審査すべきであった。し
かるに、同法第42条ただし書きの許可、若しくは都市計画法施行規則第60条に
よる同法第42条の規定に適合していることを証する等の書面を求めず、また詳細
を確かめることもなく、単に「建築確認申請事前調査報告書」の点検欄にチェック
印があるをもって、漫然と著しく安易に判断をしており、建築主事の所掌としてこ
れでは十分確認たる行政処理をなしたとは言えない。
熊本市建築審査会は原裁決中、「熊本市は庁内合議により係る許可を得る必要がな
いと判断した」かのように、参考人の口頭意見を採用しているが、実際には都市計
画法第42条の規定の適格性の判断のための庁内合議は行ってなく、判断の根拠を
証する一切の書面もない。【添付2】よって、熊本市審査会の判断は特定行政庁の言
い分にのみ偏重した過誤である。再審査請求人の調査【添付3】によっても、次の
2)に示すように、開発許可を所管する熊本市開発景観課において十分な検討はな
されておらず、恣意的に行政行為をなしていると言わざるを得ない。
【添付2…再審査請求人からの「許可の必要なし」と判断したことを証する書面
の開示請求に対する、該当文書の「不存在」を示す文書等開示請求拒否決定
通知書】(詳細は次のとおり。付番は便宜上、開示請求時の順序を示す)
3 「飲食店」に「焼鳥屋」が含まれることとした根拠を示す文書
4 都市計画法第42条第1項ただし書き許可の申請書
5 当該許可申請が熊本市開発審査会に付議された際の付議、答申
6 都市計画法第42条第1項ただし書き許可書
7 都市計画法第42条第1項ただし書き許可が必要でないとした判断に
係る担当課における決裁文書
8 7と同じく、関係各課部局の合意議事録、起案、決裁の一切の文書
(以上、一切が「不存在」なのである)
【添付3…開発景観課と再審査請求人らの話合いの要旨】
2)特定行政庁(開発景観課)は、再審査請求人らとの話合い【添付3】の中で、「建
築指導課からの当該建築物の事前の照会に際し、都市計画法第42条第1項の当該
開発許可に係る予定建築物にあたるから、即刻、ただし書き許可を要しないと判断
した」としている。その判断根拠を列挙すると、
ア)昭和63年9月、熊本県知事が開発行為に関する工事の検査済証交付を交付
した際に付した書面に「店舗」の用途との条件があり、飲食店は店舗である。
イ)都市計画法第34条1号の規定(当該開発区域の周辺の地域において居住し
ている者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗)
に該当し、秋津レークタウンの中に飲食店、焼鳥屋、居酒屋くらいはあっても
いいだろう。あまり大規模な営業は駄目だが、今頃は家族団らんで焼鳥屋に行
くから、遊興飲食店でも問題ないと判断した。
ウ)他地域で飲食店を都市計画法第43条第1項により許可した前例がある。
エ)熊本市都市整備局発行の「開発許可申請の手引き」【添付4】(以下、手引き
という)は一般的な手続きが規定されているだけで、個々のケースには手引き
によらずに個別に判断している。
しかし、これでは正式、公正な根拠基準とは成り得ず、担当する職員の嗜好とか
恣意によって重要な行政決定がなされる危険性が排除できない。全国的にも都市計
画法第34条1号で遊興飲食店を適用している例はない。熊本市での前例として挙
げている同法第43条第1項の事案は、開発許可を受けている区域以外の区域での、
兼用住宅であり、しかもこれでも建築主の申請により許可証を交付している。当該
建築物の許可申請を不要とするいささかの参考、判断根拠になるものではない。
したがって、手引きによる市街化調整区域における建築許可の手続きフローで示
されているように、建築主は許可手続き(同法第42条ただし書き許可の申請を開
発景観課に提出し、許可申請審査を受け、熊本市開発審査会に付議され、答申を受
けた後に建築許可証の交付を受ける)を行わなければならず、これを経ずに建築主
事によってなされた建築確認処分は違法である。これの罰則規定は同法第92条4
号に規定され、建築主に50万円以下の罰金が科される。
【添付4…開発許可申請の手引き=第一章-14】
3)そもそも、市街化調整区域における当該建築物の計画された土地の用途について
は、昭和60年11月、熊本県指令建第438号の県知事の開発行為の許可に際し
て付された条件【添付6】の「建築協定を速やかに締結すること」としてあるこの
建築協定に規定された「スーパーマーケット専用」の用途と、昭和63年9月の建
第開第14号の開発完了検査済証に付された文書【添付7】に「建築協定が廃止と
なった場合においても…」との条件の記述があるが、これは、「建築協定を締結して、
規定された用途制限等を尊重、厳守すること」であり、しかし「建築協定は建築基
準法の定めにより廃止されることがあり、この土地は市街化調整区域で用途地域の
定めがないから、万一協定が廃止となった場合においても、無秩序にならぬよう以
下の条件を遵守すること」と、定めているのである。
ところが一方、特定行政庁は、この部分の「建築協定が廃止となった場合におい
ても…」という、いわば仮想の文章を優先適用し、ここで「店舗」との建物の用途
条件を付してあり、店舗が認められているのだから飲食店についても問題ない、と
即断したのである。つまり、先の条件の「建築協定」【添付6】はあくまでも私人間
の契約であり、後の工事完了時の付加条件【添付7】を「建築協定の有無に関係な
く、これが最低基準」であると解釈し、これにより店舗は都市計画法第42条の開
発行為に係る予定建築物に該当すると判断したものである。
建築主事において、一般的に建築協定が建築基準法第6条第4項の建築基準関係
規定の適合性確認の際の対象法令でないことを意識するあまりに、建築協定に規定
された重要な建築物の用途制限を軽視して、県知事の付加した開発許可の条件を曲
解し、スーパーマーケット用地に本来建築が許されない飲食店の建築確認をなすこ
ととなった。これは適用すべき基準の誤謬である。
【添付5…開発登録簿調書】
【添付6…昭和60年熊本県指令建第438号「開発行為の許可」】
【添付7…昭和63年建第14号「開発行為に関する工事の検査済証」】
4)秋津レークタウンは、市街化調整区域を住居専用区域として開発されたものであ
るが、開発の初期から著名な学識経験者が加わったプロジェクトチームによって、
住民が終のすみかとして安心して暮らせるよう住環境の構想が練られてできあがっ
たものである。この地域の住民が毎日利用するスーパーマーケットの駐車場を細か
く敷地分割して、開発目的に合致しない遊興飲食店(住居地区の客よりも、むしろ
他の市街化区域の客に飲酒させることを目的にしたもの)を開発区域内に建築する
ことは法的に抑制されている。開発許可に付加された条件【添付6】【添付7】でも、
店舗は建築面積1,500平米以下と定められており、この趣旨を曲げて、単に投
資目的による利潤追求のために細切れに敷地分割して店舗を新設し、テナントに利
用していくということはこの開発許可条件に違反し、つまり都市計画法及び建築基
準法に違反していると同時に不当である。
住宅専用地域の公益施設であるスーパーマーケットの駐車場スペースが狭くなれ
ば利便性が損なわれ、客足が遠のき、ついには営業が成り立たなくなり、唯一のス
ーパーマーケットが撤退するおそれがある。これらの点からも、不当性についての
厳正な審査を敢えて要望する次第である。
5. 原審査庁の教示の有無及びその内容
「この裁決に不服があるときには、この裁決があったことを知った日の翌日から起
算して30日以内に、行政不服審査法第8条第1項及び建築基準法第95条の規定に
より国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。」との教示があった。
以 上
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